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「茜がわざわざこんな遠くまで来るなんて、正直、驚いたよ。ただの観光?・・って訳でも無いよね、実家の方で何か合ったのか?」と質問した暖人に、何故か不機嫌そうな顔をした茜。
(何かまずいこと言ったかな?)と考えていると、茜は急に立ち上がり、暖人が座るソファーの横に、床に正座をしだした。
「暖人」と真剣な面持ちで名を呼んでくる幼なじみに、暖人は「ハッ、ハイ!」とたじろぎながら応えると。
「暖人のお嫁さんに成りに来ました!」
・・・・・???・・、えっ、なに?聞き間違い??。思考回路がおかしくなった少年に、少女は続けてこう話し出す。
「だ・か・ら・!暖人のお嫁さんに成りに来たの、あの日の約束どおりに。って、イヤン、はずかしいぃ」と両手を頬に当てながら、モジモジとする茜。少しだけ萌えた。
(えっ、これ、何て言うフラグ?嘘だろ、現実味が無さすぎだろ。ヤッベェ、俺かなりパニクってるよぉ!)
その場で固まる暖人に、「これからは、毎日一緒だね」と暖人に抱き着く茜だった。
そんな二人のやり取りを、真後ろにある廊下に続く扉の前で、もう一人の人物がこちらを見て固まっていた。
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