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買い物袋が床に落ち、食材が散乱する音がきこえると、暖人と茜の二人が扉のほうに振り返る。
そこに居たのは、着替えと買い出しを済ませて、暖人の家にやって来た舞子だった。
キョトンとしている茜と、その場で凍りつく暖人と舞子。
そんな痛々しい空気を破ったのが茜の一言だった。
「暖人、お客さんみたいだけど、お友だち?」、その一言で我に戻った舞子は、「なっ、なに?何してんのよアンタ!って言うか、誰なのよ!その子は」、半ばパニック状態の舞子に、「えっと、何て言えばいいのか、そのぉ」と口どもる暖人。
そこにまた茜が割り込んで、「私は暖人の妻で、六条 茜と申します」、ってもう何がなんだ。。。誰か助けてください・・・!
とりあえず落ち着いて話そうと、暖人は二人をソファーに座らせて、帰宅してからの出来事を舞子に説明した。何とか話を理解してくれた舞子だったのだが、その顔は明らかに不機嫌そうだった。
「なるほどね、話は大体分かったわ。だけど・・茜さんだっけ?このことは、暖人のご両親もご存知なのかしら?まさか、黙って来たわけ?」と舞子は冷静に話し出した。
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