二日遅れのバースデー!茜はここで暮らします

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ようやく泣き止んだ茜を、ソファーの上座に座らせて、「それでは只今より、六条茜さんの誕生日兼、歓迎会を執り行いたいと思います!」、と司会担当の孝がテンポ良く話し出す。 一同が今一度拍手をすると、照れ臭そうに笑う茜が、「ありがとうございます」とお礼を述べた。 偶然、昨日会ったばかりなのに、赤の他人の自分なんかに、皆がお祝い事を開いてくれた。暖人に会えたこと、暖人と外出できたこと、それだけでも充分に幸せな茜!それなのに、家に帰ってからの、このサプライズ。茜は幸せすぎて、まるで夢を見ている用だと言う。 とりあえず、皆空腹だったので、料理を食べることにした。並べられた料理に箸を延ばす面々は「旨い」、「いけるなぁ!」、「これ、すっごく美味しいぃ」と舌鼓を打つのだった。 嬉しさで胸が一杯の茜だったが、「ちゃんと食べなきゃノンノンよ!」と母の清香に言われると、「はい、頂きます!」と言って、ようやく茜も食べ始めるのだった。 楽しそうに皆と話が弾む茜を見て、暖人は(茜なら、ここに居ても皆と上手く付き合っていけるよな!)と心の中で呟くのだった。
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