162人が本棚に入れています
本棚に追加
いつものように騒いでいた、綾芽たち3人。それを呆れ顔で見ている恵子。それがいつものパターンの筈。それなのに今日は皆が真面目な顔で暖人を見る。あの孝までも。
そして恵子が語りだした。「ねぇ、二条くん!あの子、本当は困ってるんじゃない?あなたに助けを求めて来たんじゃないの?」と切り出した。
「助けって・・・何の?」暖人は言うと、「そこまでは解らないわ。けど・・・なんとなくだけど・・そんな気がするのよ、私と綾ちゃんは!」と言う。
「綾芽もって、・・・本当なのか?」と暖人は綾芽を見て問う。
すると綾芽は、「あのね、確信ってのは無いんだけどね、そんな気がしたの!だから、恵子ちゃんに相談したの。ごめんね、暖人ちゃん、余計なお世話して」と心配そうに言う。
(そう言えば綾芽って、昔から感の良い所があったよな!?)と思い出す暖人。
余計な事をしたと思い込む綾芽は「ごめんね、暖人ちゃん。本当にごめんね」と泣きそうになる。
暖人はそんな綾芽に近づいて肩に手を置く。
怒られると思った綾芽は、眼を瞑り硬直する。
しかし、「綾芽」と呼ぶ暖人の声は、とても穏やかで優しい声だった。
最初のコメントを投稿しよう!