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舞子に対しては、ブスッの一言はタブーとされている。先ほどの暖人との言い合いでも、暖人は舞子に対して、ブスなどとは、一言も言ってない。言えば本気で攻撃されると知っているからだ。
本人いわく「私は可愛くはないけど、ブスッじゃない」、と言っている。
実際のところ、舞子はブスじゃない。むしろ整った顔立ちをしていて、綺麗な方だ。
実際に、高校に入学してから、何回か告白もされている!
しかし本人は「私じゃ永続きしないから」、と言っては断り、誰とも付き合おうとはしないのだった。
「暖人、こんな野球バカは放っといて、部活に集中しなさい」、と舞子は暖人に言う。そんな舞子を目の前にして暖人は、「今日は白か」、と心のなかで呟いた。
部屋の片隅でもがき苦しんでいた亮太は、目に涙を浮かべながらも再び暖人に申し出る。
「頼むよ暖人、大事な一戦なんだよ、このままじゃ不戦敗になっちまう。ホームベースに立つだけでもいいから・・な!・頼むよ」。
ヤレヤレと思いながら、暖人は部室を出ようとする。「本当に行くの?暖人」、心配そうに舞子が見つめてくる。
「まぁ、軽ぅ~く運動してくるだけだから」 、と暖人は言って、二人は部室を出ていったのだった。
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