茜の水泳大特訓

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茜の水泳大特訓

茜が二条家で暮らし初めてから10日が過ぎ、今日から8月に入った。 「暖人、起きて!もう朝だよ。」茜が暖人を起こすのが日課になっていた。 「もう、起・き・て・ってばぁ!・・・ドォーン!」暖人の胸にダイブする。 「フギャッ!?」と奇声を上げる暖人。 「起きた?」と暖人にすり寄る茜に(可愛い!)と思いながら「うん・・・起きた !」と答える暖人。 「どうしたんだよ?こんなに朝早くに」 暖人が目覚まし時計を見ながら言った。 「プールに連れて行ってくれる約束でしょ!早く行こーよぉ!」 (あぁ、そう言えば?) 昨晩、テレビ番組で放送されてた、この夏のレジャープールトップテン!を視ていた茜と母の清香。 「茜ちゃん。あなた泳げるようになった?」と清香が聞いたら、「いえ、水に入る機会も無いので一向に泳げません」と答えた。 「そうよねぇ、木ノ江村の川って遊泳禁止だったものね!」清香は言う。 木ノ江村を流れる上風川は、流れが急で危険な為、村全体で遊泳禁止となっていた。 その為、遊泳したい村民は隣県外にある施設などに行き、そこで遊ばなければならなかった。 学校にもプールは無かったと言う。
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