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夏休みも半分が過ぎた日、暖人は自室で宿題を片付けていた。
課題はほとんど終わらせたのだが、夏の思い出を題材にした感想文だけが残っていた。
担任の適当な思い付きで出された作文内容で、どうしたものか?と悩む暖人だった。
天井を見上げて考え込む暖人。
すると、[コンコン!]と部屋の戸をノックする音がし「暖人ぉ~!?」と茜の呼ぶ声がする。
「どうぞぉ!」と言う前に、茜は室内に入って来る。
気心知れた暖人だからか?田舎暮らし為なのか、ノック後の返事待ちを知らない茜。
昔から変わらない、茜の無警戒で無頓着な性格。
年頃の少年としては、見られたくない場面に遭遇しない様に、時間帯によっては警戒する時もある。
「何してるの?」と茜が、暖人の後ろから机の上を覗く。
「夏休みの宿題だよ!あとは作文だけだけど」と茜に言う。
「どうしたの?」と茜に聞く暖人に「お昼ご飯が出来たから、降りて来てって言いに来たの!」と茜は言う。
「うん!すぐに行くよ、ありがとう!」と暖人が返事をすると、「待ってるね!」と茜が部屋を出て行こうとする。
しかし、部屋を出る前に、バタッ!と言う人が倒れる様な音がした。
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