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「本当に…何もないよ」
美由紀から視線を逸らし
私は言う。
二人を巻き込んじゃいけない―
「朝はいつも通りだったわ。
だけど―それ以降ずっと
おかしい」
「本当に何もないってば…」
いつかは、この日が来ると
思ってた。
来てしまったんだ―
こんなにも早く。
「本当に?だったら何で
目を逸らすの?」
「別に…逸らしてなんか」
「逸らしてる」
真剣な表情で美由紀は
私を見つめる。
「美由紀…あの…ね?
もう止めよ…」
私達に流れる微妙な空気を
感じたのか、いちごが
必死で美由紀を止めようとする。
「いちごは黙ってて」
低い声で冷たく放された声は
美由紀の怒りを表していた。
「美由紀……」
「美由紀…何でそんな言い方
するの?いちごは私達を
止めてくれようとしたんだよ?」
「だけど私は気になるの。
ちひろの様子が」
「何でもないよ…
大丈夫だから」
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