第1話

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「話が分かる奴で良かった。 行くぞちひろ」 「え…あ、あの ありがとうございます!」 ぺこりとお辞儀して私は 出て行く優希について行く。 「悪いな。巻き込んで」 「何で私なのよっ…」 部屋を出ると私達は、また 長い廊下を歩く。 「そういえば…」 「ん…何だ?」 ふと思い出し、私は 立ち止まる。 「私…何ともない」 「何がだよ?」 「私男嫌いなの。 触られたり、近付かれたら 無意識に殴っちゃって…」 最初はこの人を殴った。 だけど今は何とも無い。 傍に…何故かいる。 「そういえば… 最初殴られたよな、突然」 「……ご、ごめん」 「そんな理由があるんだから 仕方ねーだろ。気にすんな」 そしてこの人は笑った。 私は心臓の鼓動が 早くなるのを感じていた。 .
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