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「そうね~、あの箪笥の一番上の引き出しがちょっと気になるわ」
「知ってるよね。その引き出しの中」
「あら、下着が入ってるなんて知らないわよ」
「言ってる。言ってる」
「仕様が無いわね。じゃあ、枕の下を見せて貰おうかしら」
「なんか、家宅捜査みたいになってるよ」
「うそ!無いじゃない!」
「えっ、何が?」
「写真よ!写真」
「写真?」
「私は、枕の下に歩の写真を置いて、いつも歩の夢を見れるようにしてるんだから!」
「そうなんだ。でも、写真くしゃくしゃになっちゃうよ」
「心配いらないわ。ラミネートして、更に、ハードカバーに入れてるんだから。よかったら、歩用に準備してあげるけど・・・」
「自分でやるからいいよ~・・・それより、なんか、私達の惚気話になっちゃってるよ~!これじゃ、せっかくこっち読んでから本編に誘導する作戦が、読んだ人皆ドン引きでだいなしだよ」
「あら、この程度でドン引きするのはまだ早いわ」
「ちょっと走子ちゃん!」
「そもそも、歩、この話のコンセプトを間違えているわ」
「コンセプト?」
「そう!このちょっと気になるって、私達が気になる・・・じゃなくて、筆者である里見が気になってる事で、それを私達が身をていして証明するっていう話なの」
「私達が?・・・その里見さんの気になってる事って?」
「ずばりフィルタリングよ!」
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