8人が本棚に入れています
本棚に追加
「先輩!走子ちゃん発見!歩ちゃんから呼び出されたからか、普段のむっとした感じじゃなくて、超機嫌良さそうな感じです!赤茶のチェック柄のワンピースでお洒落だし、気合い十分ってところですかね」
「ねぇ、私達が出てって大丈夫なの?」
「それは・・・わからないですけど、あっ店に入ってきた!」
「・・・えっ!待って!何の迷いもなく隠れてる歩ちゃんの方に行こうとしてるわ!」
「うそ!何でわかるんですか!?」
「そんなの知らないわよ!早く!貴女行きなさい!」
「えっ、私!?キャッ!」
「・・・あら、貴女、黒子じゃない?どうしたの?こんなとこで」
「そ・・・走子ちゃん。会いたかったよ」
「何、馬鹿言ってんの。そんな事より、歩見なかった?この辺りに歩を感じるのに」
「感じる!?」
「それに、GPSもこの辺を指してるのに、居ないのよね。壊れてるのかしら?」
「発信機まで!?」
「あら、当然じゃない。歩に何かあったら私が助けてあげて、良い雰囲気になった流れでピーするんだから」
「フィルタリングの話じゃないのにピーが!?先輩、もうどう頑張っても無理な気が」
「諦めるの早過ぎよ。走子ちゃんこんにちわ」
「東先輩・・・なんですか?そのペアルックは」
「・・・そう言われると恥ずかしい。でも気にしないでくれる。訳あって今日はこの格好じゃないといけないのよ。それより、今、歩ちゃんは此処にいないわ」
「・・・うそね。歩はこの辺にいるわ。私が間違える筈が無いもの」
「凄い自信ね・・・けど、歩ちゃんの姿は無い。いい?今はまだ、歩ちゃんは走子ちゃんに会いたくないのよ」
「今は?」
「そう今は。そこで、走子ちゃん。私達とゲームをしましょう」
「ゲーム?」
「えぇ、走子ちゃんがゲームに勝てば歩ちゃんは走子ちゃんに会いに来るわ」
「私が負けたら?」
「歩ちゃん、残念がって帰っちゃうかも」
「そう。わかったわ。じゃあ、早くそのゲームとやらを始めましょう。私は、一刻も早く歩に会いたいの!時間を無駄に出来ないわ」
「勝つの前提って・・・良いけど、油断してると歩ちゃんすくわれるわよ」
「先輩。何を言ってるんですか。私が歩を救うんです」
「あらぁ・・・カッコイイ!オーケー。じゃあ、始めましょう。ルールは簡単。いくつかの質問に答えられれば貴女の勝ちよ」
「質問?例えば・・・」
「例えば・・・好きな人はとか」
「そんなの簡単よ。あ」
「はい!ちょっと待って!」
「えっ?」
「走子ちゃんにはNGワードが課せられるの」
最初のコメントを投稿しよう!