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「あれに捕まると……脱落……するのか……」
俺は一人の脱落者によって、今回のゲームの恐ろしさを身を持って知った。
――脱落の先に待つものとは、いったい何なのだろうか。
「と……とりあえず、黒崎さんの所に行こうか」
足を震わす千晴に優しく言った。
それに対し、彼女は状況に戸惑いながらも頷く。
黒崎さんの部屋へと歩き出した。
既に四人になったチームらは辺りの様子を注意深く警戒しながら行動を見せ始める。
「あ~お二人とも、ここにいましたか」
安堵の表情でこちらに走ってくるのは探していた黒崎さんだ。
「黒崎さん!」
「そういえば、さっき聞こえた悲鳴は……?」
どうやら彼はあの状況を見ていないようだ。
「早速、捕まったんです……マネキンのロボットに」
「マネキン?」
「オーナーが説明で言っていた『彼ら』の正体です」
それを聞いた黒崎さんは眉間にしわを寄せた。
「マネキンのロボット、ですか……。怖い……ですね」
確かに、彼らの行為も怖いが、見た目からも恐怖を覚える。
普段、ファッションショップなどでよく見る人形『マネキン』。
小さい頃、俺はマネキンの前を通ると不思議と恐がってしまう。
「急に動きだすかもしれないから」――これが理由だった。
何といっても奴らの表情が恐ろしい。
真顔や極端な笑顔……。
俺にとって、どれもこれもトラウマになるようなものばかりであった。
その恐怖が今、現実となっているのだ。
「あ……四人組の残りの一人はどうします?」
黒崎さんは俺たちに投げ掛けた。
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