Act.3「二回戦:逃奪ゲーム」

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「あれに捕まると……脱落……するのか……」 俺は一人の脱落者によって、今回のゲームの恐ろしさを身を持って知った。 ――脱落の先に待つものとは、いったい何なのだろうか。 「と……とりあえず、黒崎さんの所に行こうか」 足を震わす千晴に優しく言った。 それに対し、彼女は状況に戸惑いながらも頷く。 黒崎さんの部屋へと歩き出した。 既に四人になったチームらは辺りの様子を注意深く警戒しながら行動を見せ始める。 「あ~お二人とも、ここにいましたか」 安堵の表情でこちらに走ってくるのは探していた黒崎さんだ。 「黒崎さん!」 「そういえば、さっき聞こえた悲鳴は……?」 どうやら彼はあの状況を見ていないようだ。 「早速、捕まったんです……マネキンのロボットに」 「マネキン?」 「オーナーが説明で言っていた『彼ら』の正体です」 それを聞いた黒崎さんは眉間にしわを寄せた。 「マネキンのロボット、ですか……。怖い……ですね」 確かに、彼らの行為も怖いが、見た目からも恐怖を覚える。 普段、ファッションショップなどでよく見る人形『マネキン』。 小さい頃、俺はマネキンの前を通ると不思議と恐がってしまう。 「急に動きだすかもしれないから」――これが理由だった。 何といっても奴らの表情が恐ろしい。 真顔や極端な笑顔……。 俺にとって、どれもこれもトラウマになるようなものばかりであった。 その恐怖が今、現実となっているのだ。 「あ……四人組の残りの一人はどうします?」 黒崎さんは俺たちに投げ掛けた。
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