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俺は決して一人ではない。
生き抜く為に集った仲間がいる。彼らの為にも、「勝利」という生還を果たさなければ。
「……そうだな。足掻けるだけ、足掻くか」
廊下を再確認した。
今のところ、マネキンロボットの気配は無い。それは幸いだったのだが、一つ疑問が生まれた。
「死体が……無い……?」
先ほど覗いた時にあった筈の男の死体が、跡形も無かったかのように消えていたのだ。
「ここにあったのか? 死体が」
「あ……ああ」
何故だろう。
目の前で屍と化したのだ。ひとりでに消えるわけがない。
とすると、他者によって移動させられたということだろうか。
マネキンロボットが去ってから、俺たちは5分ほど部屋で会話をしていた。たった5分だ。
そんな短時間でそれを済ませたとでもいうのか。
(運営の奴ら、どこまで……)
「皆さん! たった今、最初の合格者が出ましたー!」
突如に鳴り響くオーナーの声。
「もう……合格者が……」
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