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「あっ、……そういうことかも」
千晴が頷きを見せる。
「それは有り得るな……。薄暗い部屋はともかく、青い光ってのは……?」
俺も悩んでいた疑問を投げ掛ける藤野。
何か青い蛍光灯でもあるのだろうか。それとも…。
考えればいくつも産まれてくる予想。しかし、どれも自分ですら納得できないものだった。
地下は窓が無く、日が当たらず、暗い印象が自分にはある。『隠れた階層』と『薄暗い部屋』の二つからは自然と『地下』という2文字が連想された。
「……とりあえず、捜索を続けよう」
この状況を意識し、俺は皆に言った。
こんな場所で時間を無駄にしている場合ではないと、今さら気づく。
合格者には人数制限があるのだ。今頃、キーに近づきつつあるチームもいる。
脱落から逃れる為、絶対に規定人数内には入らなければ。
「地下の入り口を探そうか」
そう言って、藤野は親指である方向を差した。
「藤野さん、道把握しているんですか?」
黒崎さんが問う。
それについては、俺も疑問に思っていた。
先ほどのマネキンロボットからの逃走時もそうだ。彼は施設の構成を知っているかのような適切な判断で、俺たちに逃げ道を案内してくれていた。
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