第二章『暗転、切迫』

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 汗だくになりながらも、なんとか時間内に門をくぐった翔は、そこで漸く一息つくことが出来た。  門をくぐれるのは八時十分までだが、試験が始まるのはその二十分後だからだ。  教室に入り二人と目で挨拶を交わし、周囲を見渡してみると、そこには余裕綽々と話し込んでいる者や、土壇場で慌てている者など様々だった。  翔の後ろの席の生徒などは、相変わらずゲームに夢中だ。  そんな彼らを横目に見ながら、机に頬杖をついて考え事などしている内に試験開始時刻の数分前になり、担任の女教師が教室に入ってきた。
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