40/40
238人が本棚に入れています
本棚に追加
/582ページ
 それは、やむを得ないかも知れない。だが、悔しくて仕方がない。何か方法は無いのか。四人の表情からは、そのような考えばかりが読み取れた。  唯一キリアだけが、何か言いたそうな様子だったが、神妙そうな面持ちをしてそれを隠している。 「彼らの事は、もう諦めるしかない。今我々に出来るのは、一刻も早くシステムを復旧させ、リュークを止める手立てを考えることだけなんだ」  自らの非力を呪い、無念を露わにする彼等を残し、族長は部屋を後にした。  そして、誰よりも悲哀に満ちた表情を浮かべながら、一言呟いた。 「神は、死してなお我等の敵なのか」
/582ページ

最初のコメントを投稿しよう!