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 高層マンションやビル、人々の雑踏で溢れる桜川町の中心地と、閑静な住宅街。  その二つを繋ぐような位置にあるのは、連日多くの人々で賑わう、青光(あおひかり)商店街だ。  学校を抜け出した三人は、その中にある行き着けの喫茶店、『優雲』に何時間か入り浸り、それにも飽きたので商店街をぶらついているところだった。  時刻は午後四時半。大分元気を無くした太陽が、周囲の情景を橙に染め始める頃合いだ。 「いや~。やっぱりさぁ、あの店のコーヒーは、いつ飲んでも美味しいよ」
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