【第1話】最悪な出会い

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藤堂は鍵開け、中に彼女を先に入れた。 落ち着いた雰囲気のカーテン、グレーのソファーに観葉植物。 彼女に男の部屋と思わせるには充分だった。 「ぶっ部長!私…」 「さっさと入れ、靴が脱げない」 腰を押され、転けそうになったのをなんとか耐えて振り返ると、鞄から書類を取り出して眺めてる藤堂が見えた。 「お仕事ですか?」 「あぁ、明日のミーティングの資料に早く目を通したくてね」 「はぁ…熱心なんですね」 そういいながら、ごく自然に両手を彼に構える。 「?」 不思議な目で見る藤堂。 「!!」 「なんだ?お腹空いているのか?」 染み付いた習慣とは恐ろしい。
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