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気分が落ち込んだが、せっかく皆が開いてくれたパーティーなのでなるべく注がれたお酒は飲んだのだった。
皆とお店で別れた頃には、鈴は目もあてられないほど泥酔していた。
こういう時、女は薄情である。
店で休んでから帰りなよと言って、皆早々に帰ってしまった。
面倒見のいい遥奈はパーティーの途中で、別の用事があると帰ってしまった。
頼れる者は誰もいない。
早くしないと終電に間に合わない。
彼女はトボトボと歩き出した。
「うぅ…なんでタクシー捕まらないのよぉ…つか、いない」
彼女の脚はフラフラだ。
水を飲んでは、途中吐きそうになるのを堪える。
「悪酔いしたのも、皆が置いていったのも全部部長のせいだぁ」
軽く八つ当たりの言葉を口にする。
女の恨みは怖いものだ。
たった一回の出来事なのに、いつまでも消えない。
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