【第4話】彼の素顔

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仕事の時はきりりとした涼しげな女性。 そんな彼女は、初めて会った先方の野郎共の視線を全て集める。 連れて来なければ良かったと後悔させられる。 「すず」 「はい?部長」 そして、彼女の耳元で僅かに囁く。 「さっき泣いただろ?メイク直してきなさい」 簡単にかぁと赤くなるところがまた可愛い。 「急いで直してきます!」 「一時間ぐらいゆっくりしてきなさい」 「?」 鈴は不思議に思いながらも軽くお辞儀をして化粧室に向かった。 ざまぁみろ野郎共。 とは口に出さず、ただ口元を緩める藤堂。 「いや~藤堂さんが付き人を連れてくるなんて初めてで驚きましたよ!」 先程の電話の相手、中野が驚いた驚いたとうるさい。 「あれは私の娘ですので、お披露目に」 「え?」 「いえ、冗談ですよ」 普段、冗談や笑顔などみせない藤堂に唖然とする。 「さて、仕事の話をしましょうか?」 「あぁ…はぃ」 いつもより和やかな打ち合わせが始まった。
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