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『脱皮』
台風で木々が揺さぶられ
道ゆく人の傘が壊れていく
前に進めないほどの風なのに
涙が出るくらいの君の姿を見つけた
家の塀にぶら下がる君の脱け殻
そのそばで壁にくっついて
微動だともせず
羽を伸ばしている君
今、生まれ変わったばかりの薄みどり色の体を私に見せつけて
まぶしい程の生命力で踏ん張っている
とても君にはかなわない
何がなんでも生きてやる!っていう目で
私を見つめる君
そんな姿にほんとに泣きそうになった
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