赤い靴 2

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赤い靴 2

ようやく伊織が落ち着いたと思ったら今度は屋上が崩れだした。 「ギャワー!落ちる!落ちるー!」 伊織が慌ててぼくをひっぱりあげようとするけど間に合わない! バリヤバ! 「おわー!!」 ぼくは崩れ落ちるガレキに混じって落下した。 と思ったが、気付いたら伊織の部屋に転がっていた。 すぐに伊織も落ちてきた。 落ちてきた?どこから? てか何体験? とりあえず言えることは 「あのメール、本物なんじゃん・・・」 伊織が呟いた。 ぼくは頷いた。 伊織が抱きついてきた! 「ちょ、ま、苦しいよ伊織~。」 伊織がぼくの手足をカーペットに縫い付ける。 ニカッと笑ったかと思うと、難しい表情をして、ゆっくり顔を近づけてきた。 「本当に、願いが叶うかな。」 「わかんにゃい。そーゆーふれこみだけど。」 伊織はため息をついて、ぼくの肩に顔をおしつけてきた。 「本当に願いが叶うならすごいね。」 伊織とぼくにはある共通の願いがある! 突然人間を異空間に飛ばす力のあるゲームだから、報酬もファンタジーかも。 「期待しちゃうよね~。」 「胸が膨らむ?ない胸が。」 「い、言ったな~!!」 手元にあったクッションを投げつけて体を起こすと、伊織は声を上げて笑った。 その声があんまり底抜けに明るいもんだから、ぼくまで何だかおかしくなって、笑った。
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