1人が本棚に入れています
本棚に追加
赤い靴 2
ようやく伊織が落ち着いたと思ったら今度は屋上が崩れだした。
「ギャワー!落ちる!落ちるー!」
伊織が慌ててぼくをひっぱりあげようとするけど間に合わない!
バリヤバ!
「おわー!!」
ぼくは崩れ落ちるガレキに混じって落下した。
と思ったが、気付いたら伊織の部屋に転がっていた。
すぐに伊織も落ちてきた。
落ちてきた?どこから?
てか何体験?
とりあえず言えることは
「あのメール、本物なんじゃん・・・」
伊織が呟いた。
ぼくは頷いた。
伊織が抱きついてきた!
「ちょ、ま、苦しいよ伊織~。」
伊織がぼくの手足をカーペットに縫い付ける。
ニカッと笑ったかと思うと、難しい表情をして、ゆっくり顔を近づけてきた。
「本当に、願いが叶うかな。」
「わかんにゃい。そーゆーふれこみだけど。」
伊織はため息をついて、ぼくの肩に顔をおしつけてきた。
「本当に願いが叶うならすごいね。」
伊織とぼくにはある共通の願いがある!
突然人間を異空間に飛ばす力のあるゲームだから、報酬もファンタジーかも。
「期待しちゃうよね~。」
「胸が膨らむ?ない胸が。」
「い、言ったな~!!」
手元にあったクッションを投げつけて体を起こすと、伊織は声を上げて笑った。
その声があんまり底抜けに明るいもんだから、ぼくまで何だかおかしくなって、笑った。
最初のコメントを投稿しよう!