ヘンゼルとグレーテル 2

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童話のヘンゼルとグレーテルは、口減らしの為に森に棄てられる。 二人がその森で見つけたお菓子の家に住む魔女の元に身を寄せると、魔女はヘンゼルを甘やかし、グレーテルを召し使いとしてこき使うようになる。 魔女はヘンゼルを太らせ食べてしまうつもりだった。 企みに気づいた兄妹は、力を合わせて魔女を倒し、魔女の宝を持って元の家に帰る。 これがヘンゼルとグレーテルのストーリーである。 恐らく、男の衣装を着ている自分にヘンゼル、女物のスカートに身を包む育にグレーテルに割り振られているのだろう。 となると、与えられた能力にも、キャラクターによる差があるかもしれない。 ――作中で召し使いのようにこき使われるグレーテルにはどんな能力が割り振られるだろうか。 「知らねー」 テレパシーで投げかけた疑問に対し、育が口を開いて、声を出して答えた。 ――声を出した会話は避けた方が良い。 全員に使えるわけではないようから、武器として利用するべきだ。 ――へいへい。 今度はテレパシーで返ってきた。同時に面倒だという気持ちも伝わる。 この場にいる限り、自分達の考えはお互いに筒抜けだ。
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