1 ~動物は猫が好き~

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「ふーん…」 僕の中でマビとそのお師匠と呼ぶ人との関係が仲の良い親子みたいだなと、その言葉で印象付けられてしまう 買い物をあんなにスムーズにしていた理由も、きっとお師匠がチョコレートを買う姿を何度も見ていたからなんだろう だから 「まぁ、今は家出中みたいなものだけどね。むしろ本気で殺し合いして、あまりに激しいから僕が身を引いて逃げてきた」 次のマビの言葉は僕の印象と反発していて、もちろん予想などしていなかった 「こ…殺し合いって?」 「意見の食い違いってやつかな。そこから売り言葉に買い言葉。最初は口だけの喧嘩だったのに、手とか足とか、出せばいいものの僕たちは一応魔法使いだから。魔法が出ちゃって。その気になれば周辺の山や街ひとつ余裕で消せちゃえる人物だからさ、僕もお師匠も。それで僕は身を引いて、お気に入りだった懐かしの日本へ逃げてきたわけ。」 いつの間にか手を止めていたマビはため息をひとつ、着いた 「そのうち、僕を追いかけてくるんだろうなぁ…」 「えっ!」 まさか2人が再開したらこんな戦争をしないと決めた平和主義のこの日本で、魔法を使った殺し合いを始めやしないかと僕は焦る そんなのは切実にご遠慮願いたい そう考えた僕にマビは気付いたのか軽くくすっと笑った 「いくらお師匠や僕がすごい魔法使いで殺し合いの喧嘩をしようとも、さすがによそさまの世界をめちゃくちゃにしようなんて思わないよ。それには僕ら外界の研究をしてる者としても、プライドがあるから。研究をさせてもらうからには、極力その世界に僕たちが影響を及ぼしてはいけないってね」
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