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「おそよう。寝坊助さん」
カーテンから覗く陽の光が
丁度僕の目を当てているらしかった
眩しさのせいか
はたまたそいつのせいか
正常に働かない僕の視力は
目の前にいるなにかを捉えることはできなかった
「は?」
視力だけじゃない
寝起きの頭でさえも正常に働かない
白状するなら
むしろ寝起きでなくとも
きっと僕の頭は正常には働いていない
「そんな寝坊助にはバチがあたるよ」
「は?」
寝起きと眩しさに開かない目を
こじ開けようとしてみても
僕の脳は伝達してくれてないらしい
「誰もが羨む罰を君にあげる」
そういったそいつは僕に何かを食べさせた
甘くてとけるこの食べ物は
「チョコ…?」
「そう。ちょこっとした罰だよ。チョコだけに。なんちゃって」
くすくす笑うそいつを尻目に
僕は必死にこらえていた睡魔に襲われた
傾いていく景色を見ながら
睡魔のせいで眠たいのか
はたまたこいつのせいで眠たいのか
いっそ全て夢なのか
目をつむるまえに見えた景色は
わざわざ棚にも戻してもらえなかった
マンガの無残なかたまり
と
昨日の食べかけのポテチだった
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