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「…スキ」 誰もいないトイレで、溜め込んでいた思いを、小さく消えそうな声で、吐き出した。 「スキ…」 「ダイスキ…」 「ダイスキだよ…」 彼の意地悪な顔、優しく微笑んだ顔、あたしの頭を撫でてくれる大きな手、"ユイ"とあたしの名前を呼ぶ声。 全部、全部、ダイスキだった。 …でも、もうお終い。 あたしは彼の前から、いなくなる。 そう、決めたの。
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