解放

10/27
前へ
/200ページ
次へ
「まぁ、ご家族間でのトラブルですしねぇ」 雪の母親の方を振り返り、その存在をアピールする その時、雪の母親の姿が雪の瞳に写った瞬間、ギッと雪のベッドが鈍い音を鳴らした カズミ「山・・・雪?」 山城と名字で呼びそうになり、言葉を飲み込み言い直し雪を見ると、先ほどまでの表情が硬く青く変わっている 雪の肩にゆっくりゆっくり手を伸ばし触れた時、雪が首を横に振った 声に出せない 名前を呼べない 行かないで ここにいて 一人にしないで まるで、そう言っているかのよう・・ そう感じ取り、軽くポンポンと撫でるように叩くと、再び刑事と母親の方に振り返った .
/200ページ

最初のコメントを投稿しよう!

566人が本棚に入れています
本棚に追加