当日

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教室を見渡すと、教室の半分をカーテンで仕切られてあった。 「――って東雲!俺の学ラン何処にやった!?」 カーテンをめくり、上半身裸な男が姿を見せた。金に染めた髪を、上にかき上げながら遥に目を向けた。 「カイの学ランは可愛い子の身体を包んでますよー?」 「誰が可愛いんだ?」 遥は舌をべっ、と出してみせて、学ランのポケットに入っている学生証を出し、名前をカイに見せた。 「……っ!……隈河(クマガワ)!お前の学ラン、東雲が借りてってるぞ」 するとカーテンの奥から、声が聞こえてくる。 「僕のを?別に構わないけど」 隈河が承諾したのを聞いて、カイは舌打ちをした。 俺は肌にへばり付いたカッターシャツを脱いで、自分の机にかけた。下着までぐっしょりと濡れている。 「俺もジャージに着替えたいんだけど……」 俺が口に出すと、途端に遥の顔が赤みを増し、柳原は何故かニヤニヤ笑っている。 「ぬふふ~ここで着替えちゃって良いよ~!調子に乗って全てをさらけ出そうとも……」 「ユウッ!?ちょっ……優也、早く裏に急いで!」 「……っああ!!」 俺がカーテンの裏に入る時、不満げな柳原の顔が目に写った。  
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