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「4年……てどうゆうこと?ここは高校なんだけど……」
遥が人差し指で下唇をつついた。いつも考え事をしているときに行う行動ということは俺は知っていた。
「留年したのかな?」
「つーか高校生にしては下手過ぎないか?まるで子供の落書き……」
「子ども……4年生……もしかして……」
「アユセンセー、何か知ってるの?」
カイがそう聞くと、アユ先生は驚いたように俺たちを見回した。
「え…あなた達、知らないの?この学園は昔、小学校だったのよ。まさかとは思うけれど、その時の児童が描いた絵かも。紙も変色して年期があるし……」
俺は初耳だったため、頷きながら先生の話を聞いていた。皆も俺と同じ反応だったため、恐らく皆も初耳だったのだろう。
「相関学園が建っているってコトは、その小学校、潰れちゃったんだ?」
時雨が元気に手を挙げてアユ先生に問うと、先生は困ったような顔をしながら口を開いた。
「うーん…ちょっと長くなるんだけど…。」
鮎川先生は身を屈めながらゆっくりと口を開いた。
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