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「えっと……『拿獲小便り』……小ってここはやっぱり小学校……」
「いや待てッ!拿獲って言ったらアユセンセーが言っていた、事件があった小学校じゃぁねぇかッ!?」
「まっ……まだ決まった訳じゃないわ、……それに先生の話だともう潰れたになったハズだし。……続き読むわよ。
『この度、拿獲小学校は閉校とさせていただきます。保護者の方々には大変なご迷惑と、被害にあった児童達にご冥福をお祈りします』……」
また、再び広がる沈黙。パサッと、持っていた紙切れが床に落ちた。
「……なぁ、これ……共通点多すぎないか?」
「だからって……決まった訳じゃない…」
私はもう一度同じように答える。
悠歩は頭をクシャクシャと掻いて頭を抱えた。私は窓の縁に手を置いて、外を覗きこんだ。
だがいくら目を凝らそうとも、外には影すら映らず、ただ雨の音だけを鳴らしていた。
「どうなっているの……?まるでここだけ別にあるみたい……」
「東雲、退いてろ」
「え?」
後ろを振り向くと、椅子を大きく振りかぶっているカイの姿があった。
「ちょっ……!!」
「でゃぁッ!!」
カイが叩きつけた椅子は窓にヒビすら残さずに弾き返された。
「――ッウソだろ……?」
カイが持っていた椅子は、大きな音を発てて床に転がった。
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