誘拐【Ⅰ】

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私が力一杯窓ガラスを殴ってみるが、鈍い音と拳に響く痛みが残るだけだった。 「――ホントに……割れない……!!」 「閉じ込め……られた……!?」 「んなワケねーだろッ!!なんか……仕掛けがあるだけだろ……。昇降口や屋上とかなら出れるだろうし……」 カイが発した一言に、私は少なからず救われた気がした。 そうだ……まだ可能性はあるんだ。外に出られる可能性が――。 そんな私達の淡い希望は ……キャハハハ……アハハハッ…… この声の主に、儚く崩れ去ることになる。  
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