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〈へ~そうなんだ!〉
〈うんうん!それでね、私……〉
だんだん大きくなってきた子どもの声が、この教室の前から変化をしなくなったと思うと、閉めていたこの教室の扉が開いた。
〈おはよーございます!〉
元気よく入ってきたその子たちの姿を見て、私たちは生きた心地がしなかった。
男の子と女の子の身体は、2人とも青白く光っており、子供達の身体は……
血まみれとなっていたのだ――。
それだけではない。強く、何かに縛り付けられた痕。大出血と呼べるほどの血を流した傷が、身体中に刻まれていた。
「ひ……っ!!」
悠歩が一、二歩後退りをした時、後ろにあった机に気づかず、大きな音を発てて机を倒してしまった。
その音に、瞬時に反応する子供達。女の子が、その小さな口を開いた。
〈おねぇさん達……ダレ……?〉
女の子はそう言葉に綴りながら、コポッ と血を口から流し出した。
「――っ!!?いやっ……!!一体どうなっているのッ!!?」
「どけ東雲ッ!!」
カイが私の前に立ち、目の前にある机を思いきり蹴飛ばした。子供達が怯んでいるのを見るや否や、大声で悠歩に叫んだ。
「柳原ッ!!今だ!!東雲を連れてこの教室を出るぞッ!!」
私は悠歩に腕を引っ張られ、教室の後ろの扉から廊下に出て、私達はひたすら走った。
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