誘拐【Ⅰ】

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〈逃げないで……!〉 柳原と東雲が教室を出た瞬間、ドアが勢いよく閉められた。 「な……に!?」 山吹がドアを引こうとするも、ガッチリと固定されているようで動かなかった。 「――……っ!!……アイツらは逃げれたようだな……」 〈待って……〉 〈一緒に……遊びましょ……?〉 山吹はゆっくりと深呼吸をする。そしてニヤリと笑顔を子供達にみせた。 「……いいじゃねぇか……。鬼ごっこでもしようじゃん?」 青白く光る子供達は、お互い顔を見合ってキャッキャッ喜ぶと、血が溢れるその口から言葉を発した。 〈アハハハッ……!じゃあ、お兄ちゃん、私たちが鬼になるからね……!!〉 「おうよ……!!」 時間を……稼いでやる! せめてアイツらが遠くに行けるくらいの時間を……!! 〈鬼ごっこ……始め♪〉  
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