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「な……っ!!」
「ウソ……まさか今の地震で……」
私達が出た教室の入り口は、床が抜けていて入室することも、出ることも出来ない状態だった。
「カイ……は……!?出られたの!?」
「ユウ、落ち着いて!!アイツのことだよ!?ひょっこり出てくるよ!」
息を荒く吐く悠歩を、深呼吸をするように促した。
「……取りあえずここから離れよう。ホントに……ゆっくり休めるトコに……!」
私は悠歩の手を引いてゆっくりと歩きだした。が、悠歩の足取りが、一歩、また一歩と重くなっていき、その場に項垂れるように膝をついた。そして悠歩は顔をうつ向かせたままゆっくりと呟いた。
「皆……何処に言ったの!?私達は一緒に居たのに……!」
「ユウ……落ち着いて、大丈夫、皆に会えるよ」
「ハルカは心配じゃないの!?カイも居なくなっちゃったんだよ!?先生も……芳野くんも!!」
「ユウ……」
「なんで私達だけこんな目に合ってるの!?私達、本当に……」
「ユウッ!!」
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