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「教えて欲しいの。知っていること、全部」
私が見詰める目を、悠歩は伏せて目を反らしたが、すぐに上目遣いで私を見直した。
そしてゆっくりとため息を吐くと、悠歩は震えるその唇を動かした。
「やっぱり……気付いてたんだ?」
「私を誰だと思ってるの?」
私は目を細めて笑うと、悠歩はつられるように笑ってくれた。
「あんまり……思い出したくないんだ」
悠歩は沈み気味で続けて口を開いた。
……――ハルカは保健室にいたあの男の人、覚えてる?
……――うんまぁ、特徴的だったしね。
……――私実は、目が覚めた所が違ったんだ。
何処で目を覚ましたか忘れちゃったけど、起きて私、あの子にあったの。
……――あの子って、まさか……!?
……――うん。教室に居た子とは違うけど、体が青白く光ってたから間違いはないと思う。
そしてその子と目が合った瞬間、私の意識はそこから消えていて……
…そしたら……!!
……――ユウ?
悠歩が震える身体を、私に委ねてくる。私は悠歩の頭をゆっくりと撫でた。
「ユウ……大丈夫?無理……しなくても…」
「ううん…大丈夫。……今言わないと、多分絶対言えなくなると思うから」
「ユウ……」
悠歩は、声を震わせながら言った
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