亀裂

3/19
19人が本棚に入れています
本棚に追加
/131ページ
……――気がついたら私、体が動かなくなっていた。……ううん、動かなくされていたの。 ……――されていた? ……――布で目、ガムテープみたいなもので口を塞がれて、手足もロープで痛いくらい縛られていた。 何が何だか分からなくて、声も出すことも出来なくて、体には違和感を感じるし、そして何より、口から鉄の味がした……。 そして外?か分からないけど、物凄い叫び声と物が倒れる音がだんだんと近づいてきて、私は身体を支えられて何処かへ連れていかれた……。 目隠しを外されて、私の目の前に居たのが、血を大量に浴びた保健室に居たあの人だった。 私は怖くなって辺りを見渡して、声を出そうとした。 だけど窓ガラスに映った私の顔に、息が詰まった。 私は……目があった女の子の姿をしていた――。 それに気がついた瞬間、あの人が呟き、それと同時に私の……子供の姿をした私の体から噴き上がる……血が……!!見えて……!! そのまま気を失った――。  
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!