亀裂

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「……っ!!」 嘘だろッ!?さっきまでは机や椅子すら無かった、何も無い教室に、突然あの子が現れた!? この教室じゃマズイ……!!早く出ないと……!! 出ないと…… 「なん……だ?」 体が……動かない……!? 何なんだ…この感覚……!? 頭が重い……!? 痛い…苦しい…焼けるみたいに……熱い……!! なのに俺の体は言うことを聞かない。立ってられないほどの痛みなのに、膝を着くことさえ叶わない!! 俺の視線は、ずっと男の子の大きな瞳を逃さず離れない。 小さな歩幅で、男の子が、歩み寄ってくる。 やめろ……!来るな……! もう……僕を斬らないで…… 「……っ!?」 何だ?『斬らないで』って、一体何のことなんだ? 何で俺はそんなことを……。 動けない俺に、男の子はすぐ傍まで寄り、俺の腹の辺りで手のひらを当てた。 ……意味が分からない。 だんだんと、俺の意識が遠退いてゆく。暗闇をさ迷う俺の意識はドコかある場所へと、迷うことなく引き寄せられていた。 その暗闇の中で、男の子の声が山びこのように反響しながら響く。 〈もう走るの、疲れちゃたからなぁ~…。じゃあ、僕のこと、教えてあげようか?〉   〈お友達の証に…ね〉  
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