19人が本棚に入れています
本棚に追加
/131ページ
「……っ!!」
嘘だろッ!?さっきまでは机や椅子すら無かった、何も無い教室に、突然あの子が現れた!?
この教室じゃマズイ……!!早く出ないと……!!
出ないと……
「なん……だ?」
体が……動かない……!?
何なんだ…この感覚……!?
頭が重い……!?
痛い…苦しい…焼けるみたいに……熱い……!!
なのに俺の体は言うことを聞かない。立ってられないほどの痛みなのに、膝を着くことさえ叶わない!!
俺の視線は、ずっと男の子の大きな瞳を逃さず離れない。
小さな歩幅で、男の子が、歩み寄ってくる。
やめろ……!来るな……!
もう……僕を斬らないで……
「……っ!?」
何だ?『斬らないで』って、一体何のことなんだ?
何で俺はそんなことを……。
動けない俺に、男の子はすぐ傍まで寄り、俺の腹の辺りで手のひらを当てた。
……意味が分からない。
だんだんと、俺の意識が遠退いてゆく。暗闇をさ迷う俺の意識はドコかある場所へと、迷うことなく引き寄せられていた。
その暗闇の中で、男の子の声が山びこのように反響しながら響く。
〈もう走るの、疲れちゃたからなぁ~…。じゃあ、僕のこと、教えてあげようか?〉
〈お友達の証に…ね〉
最初のコメントを投稿しよう!