当日

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俺が扉を開け中に入った瞬間、雷よりも甲高い炸裂音が突如として鳴り響く。 「――ッ!?柳原(ヤナギハラ)ッ!?」 「や…柳原さん!?脅かさないでよッ!」 俺の前に立つ女が、クラッカーを鳴らしながら必死に笑いを堪えていた。 「アハハハッ!引っ掛かったね芳野くん~!」 「――ってか柳原、そのカッコ…ッ!!」 先程校舎に到着したばかりなのか、柳原の服はびしょ濡れのままだった。 俺は目を伏せながら、アユ先生のヘルプを待ったが、さっきのクラッカーで動揺しているのか、ぼーっと立ち尽くしたままだった。 「あら~?意外とまだ子どもなのね~、見られるときに見とくもんが大人ってもんじゃない~?」 「ユウ……あんた何言ってんのよ」 そう聞こえたと同時に、柳原の肩に学ランが羽織られた。 柳原に学ランを羽織らせたソイツも、同じように学ランを羽織っていた。 「遥(ハルカ)!助かったよ……。…つーかお前もびしょ濡れだな」 「……優也(ユウヤ)は一体何を期待しているの?」 アユ先生がクスクスと笑いだすと、そのままハキハキとした口調で言葉を綴った。 「じゃぁ私、お家の方々に連絡してくるから、少し待っててね」 アユ先生はそう言って、2の3の教室を出た。  
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