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こんな急展開ってありますか・・・
というわけで初めに言いわたされた命令がこの城全体の掃除だったってわけだ。
長女はなぜかその掃除の見張り役として彼女(=未保)を指名した。
もちろん二人そろて
「はぁー?!」だったがあのマイペースに勝てるものはいない。
ていうかむしろあの人の中に住む鬼が恐かった。
今思いだすだけでも身ぶるいがする。
子ねこを即席のダンボールベッドに入れると「こらーヘボーどこいったー」と彼女の声がした。
ヘボとは彼女が俺の名前の読みかたをかえて、勝手に「平暮=ヘボ」と呼んでいるの
だ。
ちくしょう俺がダサイみたいじゃないか。
「はいはいここにいますよー」といって彼女の元へとかけよったのもつかの間、「はいこれっ」といって彼女が指しだしたのは全部でいち、にい、さん、し・・・・・、しめて十二個のゴミ袋だった。
「これを全て運べと?」
「あったりまえじゃない」
「デスヨネー」
まいどありーと特に理由のない台詞をはいてここ最上階から下まで両手にいっぱいのゴミ袋をかかえながらうおーっとばばばーと合計六往復走ったわけですよ。
「し、死ぬ・・・」
階段の途中で引っかかっていると彼女はため息をついた。
「なっさけなーい。こんぐらいちゃっちゃかちゃっちゃか終らせなさいよ」
「な、なら・・・お、前が・・・やって、みろよ」
息も絶えだえの中なんとかそれだけ言えた。
「私あんたが来るまでほぼ毎日やってたわよ」
あいすんませんでした未保様ー。
僕が悪ぅござんしたぁ!
ピーンポーンと呼び鈴が鳴る。
はっと彼女が雷にうたれたように反応し、ぶぎゅるっと俺を踏んで玄間にはしった。
「痛ってぇ~!おいこら!人を何様だとおもってるんだ!」ってもういねぇしこんちくしょお!
なんなんだこの家はシカトする規則でもあんのか?!
彼女が玄間で受け取ったのは大きな箱だった。
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