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「きゃあー!やっときたぁ!きゃーきゃー!」
いままで聞いたことも見たこともないような彼女のはしゃぎ様にあの箱の中身がものすごく気になった。
ああ見たいどうしても見たい。この気持ちわかるだろう?
俺には目もくれず、彼女はそのまま荷物をかついでリビングへと走っていった。
まるで飛脚のように。
こっそりリビングのドアを開けて中を覗く。
ちょうど彼女が箱を開けるところだった。
彼女が箱からなにか大きなものをとりだした。
それはなにものにも例えようがない得体の知れないぬいぐるみだった。
「あのー、なにそれ」
彼女は信じられないといったような表情をつくった。
「なにって、くまちゃんのぬいぐるみにきまってるじゃない」
そういって彼女はほらとぬいぐるみを見せつける。
それはくまか、くまなのか、いや、くまなわけがない(反語)
「このかわいさがわからないなんてまだまだね」と彼女はあきれ顔でそういうが、むしろそれにかわいさを見出だせるあんたがすごいよ。
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