不幸は続くよどこまでも・・・

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不幸は続くよどこまでも・・・

 やってしまった。ついにやってしまった。 スーパーウルトラマイペース女に渡されたスーツを眺めながら深いため息をつく。  これからどうするか。そんなことわかりきっている事なのだが、いまこの状況でコッソリ外にって訳にもいかない。 ドアの前には彼女が二王立ちで見張っている。 お嬢様らしからぬ行為だが・・・。 それなら――! 窓を勢いよく開ける。 ん~いい風が吹く。 よしっ幸い鍵はかけられていないようだ。 「ここから!」 がばっと足をかけて飛び降りようと下を見る。 地面との推定距離10~15m、ビル3~4階相当。 周辺に大木無し、ロープ無し。 飛行スキル無し。(真調べ)  そっと静かに足を戻し、そっと窓を閉め、しっかりと鍵をかけた。  「もう着替えたの?」 着替えている途中、マイペース女がことわりもなくドバンと部屋にはいってきた。 「うわあ!まだ着替えてますって!」 パンツ一丁のあられもない姿を見られてしまった。 スーパウルトラマイペースであっても彼女だって女は女だ。 「ご、ごめんなさい!」とかいって顔を赤らめて引っこむのだろうが、男としてそれはそれで青春を感じるものだ。 それにこんな経験はそうそうないことだろうし、これ以降することはない――― いや、訂正しよう。 絶対あるに決まってる。 だって・・・だって相手の顔がキョトンってしてるんだもん! 「・・・まだならはやくしてよ?」 「はぃ・・・」 なにか、男として生きていくために大切なものが音をたててへし折られたようでした。
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