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俺が目を覚ましたのは向こうの方まで暗闇で何もないところだった。今自分が寝ているのか立っているのかさえわからない、浮いているような感覚だ。
ここは何処なんだ?
俺はどうなったんだ?
わからない。
こんな時はこう言ってしまう。
どうなってんの?コレ……
心臓を突き刺されて、『ガルナデビル』を使ってそれから…………あれ?どうなったんだ?何もわからない。
「我の力を使ってモンスターを殺したんだ」
するとどこからか聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「そうなのか」
正直言って俺にはどうでもよかった。ただ皆のことが心配なのだ。リリやミル、メリアのことがただ心配だったのだ。
「心配するな大丈夫だ。あやつらは生きている」
「そうか、俺の命より大切だからよかった」
「お前自分が死んでると思ってるな?お前は生きているよ」
「そうか、俺にとってどうでもいい」
「ならばお前は何がしたいのだ?」
「俺は強くなりたかった。皆を守れるくらい強く」
「強くなったではないか。我の力を使って」
「お前の力はとても危険だ。皆を傷付けるかもしれない」
「そんなことはない。お前は我の力が必要なはずだ。強くなりたければ尚更だ」
「うるせぇ、俺はお前の力を使わずに強くなってやる。もう一度言う、お前の力はいらない」
そうはっきり言うといきなり視界がぼやけて、意識を失いそうになった。意識を失う直前にあいつはこう言ってきた。
「お前は必ず我の力を使う。必ずだ。我はお前自身なのだからな」
あいつがそう言うと完全に意識を失った。
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