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少年と少女
『…ハァハア』
湖に行くと、人間の子供が、誰かを探すように、辺りをキョロキョロと見ていた。
「あ…フレア!!」
子供は、すぐにフレアに気づいた。
『アル!』
名前を呼ぶと、アルは嬉しそうに笑い、駆け寄ってきた。
私は、勢いをつけて、アルに飛びついた。
「…ぅわッ!!」
抱きつかれたアルは、フレアを受け止められず、そのまま後ろに倒れ込んだ。
『「…あ!!」』
…その先に、陸はなく、二人一緒に湖に落ちて行った。
『…ごめん』
湖の中で縮こまったフレアは、何度も謝ってきた。
けど、アルは特に気にした風もなく、ただ笑っていた。
「大丈夫だって!フレアは湖に入るつもりだったし、それに、ちょうど僕も水浴びしたいなーって思ってたとこだったから、気にしなくて良いよ!」
笑いながらそう言った僕は、湖に目を向け、ふと思った。
「そういえば、初めて会った時も、フレアはここにいたね。」
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