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「急ぐぞ!!針川!」 「えっ!? だって、もう帰ってるでしょ、さすがに…」 「いや、家の大体の目星はつけてある。」 「さすがだな。」 俺達は走りながら会話をする。 何か、こうゆうのって格好いいって自分的に思う。 これなら、別に俺のルックス関係なく、女を落とせる気が… 「針川…! おぃ!針川!!」 「え?」 どうやら、自分の世界に入りすぎたようだ。 以後、気を付けよう。 「どうしたぁ?」 江成くんは、50メートル先で立ち止まっている。 俺は、駆け足で近付いていく。 俺と江成くんの距離が近付いた時だった。 彼は、とんでもない事を口走った。 「あそこを見ろ。」 俺は不意に自分の下腹部を見てしまった。 どうやら、それは間違いで目の前のものを見ろと云う事だったのだろう。 だが、俺は下を見てしまった。 この時、俺は、下を見なければ良かったと後悔することになる。 一瞬。 本当に一瞬。 上半身だけ… 下半身のない人間? が、俺の足の隣を通り過ぎて行った。 最初、何かの間違いかと思ったが、頭から離れない。 「どうした?」 「えっ?」 江成くんに声をかけられて、ハッとした。 「な…なんでもない。 それより、何だったの?」 「えっ? あぁ…あそこに…」 と、指をさしたが「やっぱいいや…」と言い、手を下げた。 「それより、急ぐぞ!」 「あ、うん!」 俺達は、まだ気付いていなかった。 この時、すでに、俺達は もう、踏み込んでしまったんだ。 そう。 この 都市伝説に…
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