ー1ー

3/11
前へ
/73ページ
次へ
「一輝、帰ろう。」 そう言いながら俺の所に走ってきたのは、幼なじみの市村実琴。 「ちょっと待ってよ。今日はクラスの皆で集まるって言ったよね?一輝も行くんだよ。」 そう言いながら腰に手を当て、少しご立腹なのは、同じく幼なじみの藤堂千尋。 「今日は奏さんのところに行く約束してるんだよ。」 「…どっちが大事?」 「そんなの聞くまでもないだろ。ってか真澄迎えに行かなきゃいけないんだ。行くぞ、実琴。」 「ハイハイ。じゃあね、千尋。」 「一輝!!」 「後で千尋も顔出せよ。奏さんも喜ぶから。」 千尋に向かって軽く手を振り、俺達は教室を後にした。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

253人が本棚に入れています
本棚に追加