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※千尋目線
「はぁ。」
笑顔で手を振っていく親友の後ろ姿を見ながら、ため息をついた。
一輝が教室を出ると同時に周りがざわつく。
「やっぱり奥村君って、良いよね~。」
「同じクラスってラッキーだったな。」
「俺もそう思う。」
((みんな一輝の事見てたんだ…))
家族の事を考えている時の一輝の笑顔はすごいと思う。
一輝の母、奏さんは、とても綺麗な人で、その奏さんに似た一輝も綺麗で可愛らしい顔立ちだ。
本人は気付いてないけど、無意識に出るあの笑顔は…
「ねぇ、藤堂君。奥村君は来ないの?」
一輝の事を考えていたら、クラスメイトに声を掛けられた。
「家の用事がどうしても外せないんだって。」
「そっかぁ。ありがとう。残念だなぁ…」
そう言いながら友達の方へ行くクラスメイトの後ろ姿に、今日2回目の大きなため息をついていた。
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