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実琴と並んで、少し早足で歩く。
暫くすると、真澄の通っている学校が見えてきた。
「一輝~、遅いよ~!!」
校門の前で待っていた真澄が、俺達に気付き走って来る。
「俺らも学校があるんだよ。ってかちょっと早いぐらいだろ。」
「だって、かなちゃんのケーキ早く食べたいんだもん。」
「真澄君はホントに奏さんのお料理大好きなんだね。」
「ご飯だけじゃなくて、かなちゃんも大好き~。」
語尾にハートマークが山ほどつきそうな言い方だ。
真澄も、俺と同じように家族を大切に思っている。
ただ俺と違う所は、真澄には友達が沢山いると言う事。
今も、真澄を見掛けると声をかける同級生らしき子ども達が何人もいる。
俺は嬉しくなり、真澄と一緒に手を振った。
「ねぇ、早く行こうよ!」
待ちきれないのだろう。
真澄は俺と実琴の手を取り走り出してしまった。
「真澄、慌てすぎだ。」
俺と実琴は、真澄が転ばないように気を付けながら歩き出した。
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