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wanna be
直訳すれば「なりたい」。音にすれば「ワナビー」。略して「ワナビ」。
ネット上では、何かになりたい者を皮肉って使われる。
勝谷克也(かつやかつや)は、自分がワナビだと自覚していた。それも恐らくは実力の伴わない。
勝谷は小説家になりたかった。だから何度も賞に原稿を送った。
だが結果は全て、一次審査で落選。
そもそも勝谷が小説家になりたいと思うようになった道のりは、あまり普通ではない。
勝谷は高校に入学した時、友人に誘われて携帯電話向けSNS、モバリスタに入会した。それから暫くは適当に楽しんでいたが、ある日モバリスタに小説機能が追加された。本を人並みに読む勝谷は、それを見て自分も小説を書いてみたいと思い始めた。
ネット上で小説の書き方を学び、携帯電話でちまちまと文章を打つ。
そしてモバリスタに投稿し――勝谷は現実を知ることになる。
閲覧数が増えない。増えても一や二程度だ。ランキング上位の作品は、閲覧数が百万を超えているものも多いというのに。
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