第一章 /参

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二つの足音が近づいてきた。 櫂は、姿を見られないように素早く雑木林の中へと移動し身を隠す。 「「きゃーーーっ!」」 二つの悲鳴が重なった。 「どうしよう藍子ちゃん!綾芽ちゃんが倒れてるよ!」 「保健室に連れて行かなきゃ!理奈、男の先生を呼んできて!」 ツインテールの少女が「うん!」と頷き、体育教師を連れて戻ってきた。 いかにも体育大学出身といった感じの大柄な男が綾芽を抱きかかえていく。 櫂は、自分の両手を見詰めていた。 確かに……手応えがあった。 ミツルギマツリテ。 二つは一つに戻される。 これは、ほんの序章に過ぎない――――。
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