第一章 出会い

4/7
87人が本棚に入れています
本棚に追加
/618ページ
暇だったので、プレハブ小屋のネームプレートを一つ一つ確認をする。 野球部、サッカー部、テニス部、ハンドボール部、バレー部、陸上部……。 二階建てで6つの部室があり、二階は更に別の部室がある。 ほんと、広い……。 今、自分が立っている場所から正門までの距離はかなりある。 中学校は都会の狭い学校だったので、ここまでくると驚きだ。 さて、もうそろそろ帰ろうかな。と、踵を返した時、視界の端に異質なものが映った。 視線を戻し、一点でピタリと止める。 ……犬小屋?! それは小型犬が入るくらいの大きさのもので、木々の間に挟まるように置かれている。 近くまで寄ると、やっとそれが何なのか分かった。 赤い屋根に木製の社殿の祠だ。 かなり古いものだが、昔からここに置かれているのだろうか。 私は、中学生まで、神社の掃除のボランティアをしていたので少しだけ知識があった。 祠というものは、中央の観音扉を開くと仏像や神体が収められていて祀られているものだ。 本来なら手を合わせる所だけど……、
/618ページ

最初のコメントを投稿しよう!